ファッション素材

環境負荷が高く、動物を苦しめて作る動物由来のファッション素材に代わり、植物や化学繊維を使った本物そっくりな素材が開発されています。

レザー

ヴィーガンレザー
サボテンレザー

ヴィーガンレザーとはフェイクレザーのことであり、動物の皮を使用しないで革の見た目、質感を実現したもの。
リアル皮革の生産は大量の水を使用し、ヒ素などの劇薬を使用するため、環境を汚染し、健康被害もあるが、ヴィーガンレザーは環境に配慮された素材であることから、注目が集まっている。

ヴィーガンレザーの種類

・合成皮革
 化学繊維を織ったものを樹脂でコーティングする。人工皮革と比較して安価なのでよく使用されるが、耐用年数は3~5年程度。
・人工皮革
 化学繊維を織ったものにポリウレタン樹脂を染み込ませて作る。ヴィーガンレザーの中でも耐用年数が長く、7〜10年程度。
・植物性レザー
 サボテンやパイナップルなどの果物の葉を使って作る。新しく登場した素材だが、今後の市場拡大が十分に期待できる。

ヴィーガンレザーのメリット

・軽い
・水に強い
・動物にやさしい
・環境にやさしい
・生産時、どんな形・大きさにもでき、無駄が出ない

ファー

フェイクファー

フェイクファーとは毛皮を人工的に作った起毛生地のこと。
その構造はタオル地やベロア素材などと似ている。
基布の組織はパイル織りやパイル編みになっており、ループパイルをカットし起毛することによって毛皮の毛並みのように加工する。

近年では動物保護の観点からフェイクファーを使うことがファッション業界のトレンドとなっている。
動物の毛皮を使わないことが環境に優しい=エコであるということから、「エコファー」と呼ばれることもある。
フェイクが『偽物』を連想させるため、ファッション業界では「エコファー」ということが多い。

フェイクファーの原料

かつては木綿や絹、羊毛などが使われていたが、最近では主にアクリル繊維やポリエステル繊維が使われている。
本物の獣毛のような外観・質感を出すため、断面が異型(花形や三角形などの特殊な形のもの)のアクリル短繊維を使っており、エコファーの高級品の領域では日本が高い技術力を持っている。

フェイクファーのメリット

ファーも皮なのでフェイクレザーと同じメリットがあるが、ほかにもさまざまなメリットがある。

  1. 品質が均一
    • リアルファーは部位によって毛の長さや色にバラつきが出るが、フェイクファーは大きなサイズでも均一な品質にすることが可能。
      また、技術の発達により、見た目や手触りが本物に近いかそれ以上の高品質なもの、ストレッチ性のあるものなど機能的なものを生産することが可能。
  2. デザイン、カラーバリエーションが豊富
    • 優れた発色性で様々な色に染めることができ、プリントも施せるので、本物の毛皮では不可能な表現ができる。
      逆に本物に近い柄や色を使用して、リアルファーに似せることもできる。
  3. 価格が安い
    • 大量生産が可能なので、リアルファーに比べて手に入りやすい価格設定が可能。
  4. 耐久性がある
    • リアルファーに比べ、刺し毛の弾力性と耐水性が優れているため、手入れが簡単。

ダウン

フェイクダウン(人工ダウン)は、化繊を使ってアヒルやガチョウといった水鳥の羽毛と同じような保温構造を再現したもの。
リアルダウンは刈るのではなく、むしり取るため、鳥は苦痛の声をあげ、羽毛をむしとられた肌はむき出しになって本来保温すべき自分の体を保温できない。
狭い檻の中で、生えてはむしり取られ、を一生繰り返す。
Save the duckというイタリアのメーカーが有名。

フェイクダウンのメリット

・洗える
・湿気によって保温力が低下しない
・動物にやさしい

ウール

ウールの残酷さ

リアルウールのデメリット
・羽毛立ちやすく、伸びやすい
・水洗いするとフェルト状になってしまう
・合成繊維と比べ高価
・動物虐待
近年はウジ虫の寄生を防ぐために子羊のお尻の皮膚と肉を切り取る「ミュールジング」が行われている。
バリカンで皮膚を傷つけることがあり、治療もされないことがある。

フェイクウールとは、ポリエステルやアクリルやレーヨンなどの化学繊維を混合してウールの風合いや保温性を再現したもの。畜産による環境破壊もなく、羊を傷つけることもないため、注目されている。