世界では年間約800億頭(日本では約10億頭)の牛・豚・鶏が屠殺されています。(魚類は重さで測るため、匹数のデータはありません)
人間や犬や猫と同様に、牛や豚、鶏にも感情があり、喜びも悲しみも苦しみも感じます。
しかし畜産動物は一生のうちで楽しいことや嬉しいことなんてあるでしょうか。
屠殺が残酷なのはもちろんですが、日本の代表的な畜産動物の飼育環境について知ってください。
乳牛

牛も子供を産まなければお乳は出ません。
乳牛は、短いロープで繋がれ、牡牛から採取した精子を注入されて繰り返し人工妊娠させられ、生まれた子供はすぐに引き離されて、母牛は数週間に渡って子供を呼び鳴き続けます。子牛が飲むはずのお乳は人間に奪われ続け、出が悪くなったり子供を産めなくなったら「廃牛」として屠殺され、ミンチ肉などになります。人間でいえばまだ二十歳くらいです。
子牛はお母さんのお乳を飲むことも甘えることもできず、雌なら母牛と同じ運命をたどり、雄ならまもなく子牛肉として殺されます。
牛乳は牛を殺さないからよい、と思っている人もいますが、このように残酷で、一匹残らず殺されます。
肉牛

霜降り和牛は、霜降りにするためにビタミンAを与えないようにするため、視力を失うことがあります。
豚

豚は本来、土を掘ったり泥浴びしたりする動物ですが、母豚は土も泥もないコンクリートの上で体のサイズぎりぎりの檻に閉じ込められ、寝返りさえ打つことができません。
子豚に授乳する際も檻に入ったままで、子供をなめたり、助けたりすることもできません。
ストレスで檻をかみ続けたり、異常行動が見られます。
採卵鶏

日本の採卵養鶏場の9割以上で、バタリーケージという重ねた金網の中に鶏を入れて飼育しています。日本での鶏1羽あたりの一般的な飼養面積は、20cm四方程度で、EUや韓国の規定のなんと約40分の1の狭さです。多くの鶏舎には窓もなく、一生陽の光を浴びることもありません。
鶏は本来、砂浴びをしたり止まり木に止ったり、土をつついたりして過ごし、巣の中で卵を産みますが、ケージの中には、巣も砂場も止まり木もなく、ぎゅうぎゅう詰めのため羽ばたくことすらできません。羽は擦り切れ、金網に足をはさまれ骨折しても治療などしてもらえず、死んでいく個体も多いのです。
EUではすでにこの残酷なバタリーケージは禁止になっています。
また、いかなる飼い方であっても、雄は卵を産めず、採卵鶏は肉用には適さないため、雄のひよこは生まれてすぐにシュレッダーで粉砕、または圧死させられます。現在は卵のうちに雌雄を見分けられる技術があり、EUではオスのひよこの殺処分が禁止されつつあります。
母鶏も卵が産めなくなれば処分されます。
卵は鶏を殺さないからよい、と思っている人もいますが、このように残酷で、一匹残らず殺されます。
肉用鶏

隙間も見えないほど密飼いの肉用鶏。まるで白い絨毯のようです。肉をたくさん取るために急激に成長させられるため、立つこともできなくなり、死んでいく鶏も多く、鶏たちをかき分けながら死体を見つけて処分するのが養鶏場の日課です。
生後およそ50日で出荷されます。成長ホルモンで異常に太らされるため大きいですが、まだヒナなのでピヨピヨと鳴きます。お母さんを呼んでいるのでしょうか。
屠殺時は気を失わせてから首を切り出血死させて熱湯に漬けるのが世界標準ですが、日本ではなんと気を失わせる作業を省略しているため、生きたまま逆さ吊りにされて首を切られ、時間をかけて死に至ります。暴れるため屠殺し損ない、死ぬ前に熱湯に漬けられるケースも少なくありません。
どの畜産動物も、出荷から屠殺場までの輸送から屠殺まで、餌も水も与えられないことが多く、飢えと渇きで苦しみます。仲間の尿を飲んで渇きをしのぐしかありません。
どうせ殺すのだからどんなに苦しんでも関係ない、とでもいうのでしょうか。
このように、生産(繁殖)から飼育、輸送、屠殺に至るまで、短い一生を苦しみ続ける畜産動物への倫理観からも、動物性食品を避ける人が増えています。
肉食を菜食にシフトすることで、苦しむ動物を減らすことができます。
以上、画像出典:アニマルライツセンター(詳しくはこちらのサイトをご覧ください)
